2023年、世界中で大ヒットを記録した映画「バービー」。
ピンク一色の世界観と斬新な物語展開で、多くの観客を魅了しました。
しかし、この映画には単なるエンターテインメント以上の深い意味が込められていたのです。
今回は、映画オタクの視点から「バービー」を深掘りし、3つの考察をしてみました。
この記事を読めば、あなたも「バービー」をより深く楽しめるはず?!
さあ、ピンクの世界に飛び込んでみましょう!
「バービー」のあらすじ
映画「バービー」は、完璧な世界「バービーランド」に住むバービー(マーゴット・ロビー)と、彼女のボーイフレンド的存在のケン(ライアン・ゴズリング)の物語です。
ある日、バービーは自分の体に異変を感じ、人間世界へと旅立ちました。
そこで彼女は、現実世界の複雑さと自分の存在意義について考えさせられる事に。
彼女は持ち主との共鳴を通じて、自らが人形であることを認識し、より深い自己理解を求める旅に出ます。
一方、ケンは人間世界で男性優位の社会を目の当たりにし、バービーランドを「ケンダム」に変えようと企むものの、最終的に自分たちの真の姿を見つけ、互いを理解し合うことの大切さに気づきます。
この物語は、単なる冒険譚ではなく、自己探求と社会批評が交錯する深いテーマ性を持っているのです。
「バービー」における3つの考察
考察1:フェミニズムの表現と男女平等の探求
「バービー」は、フェミニズムと男女平等をテーマに据えた作品。
バービーランドでは女性が支配的な立場にあり、男性は二次的な存在として描かれています。
これは現実世界の男女関係を逆転させた設定であり、観客に「もし立場が逆だったら」という視点を提供しているのではないでしょうか。
この設定は、観客に新たな視点から性別や権力について考えさせる効果を持ち合わせているのです。
そして、人間世界に来たバービーは、セクハラや男性優位の社会構造に直面し、現実社会における女性の立場を反映しており、一方ケンは人間世界で男性優位を知り、その力に魅了されます。
しかし、最終的に両者とも、どちらかが支配的な社会ではなく、互いを尊重し合う関係性の大切さに気づくことに。
このような展開は、男女双方が平等に尊重される社会を目指すというメッセージを強調しております。
フェミニズムが単に女性の権利を主張するものではなく、男女双方が平等に尊重される社会を目指すものだということを示唆していますね。
監督のグレタ・ガーウィグは、この複雑なテーマを軽快なコメディの中に巧みに織り込んだのではないでしょうか。
また、本作は観客が抱える性別による偏見や固定観念についても問いかけています。
考察2:アイデンティティの探求と自己実現
「バービー」の核心にあるのは、アイデンティティの探求と自己実現のテーマです。
バービーは完璧な世界で完璧な存在として生きてきましたが、人間世界での経験を通じて自分の本当の姿を探し始めます。
彼女は持ち主との共鳴によって、自らが人形であることや、その存在意義について考えるようになりました。
この過程は、多くの人々が抱えるアイデンティティの問題とも共鳴するのではないでしょうか。
特に印象的なのは、ルース・ハンドラー(バービー人形の創造者)との対話シーン。
ここでバービーは完璧な世界か、不完全だが美しい人間世界かの選択を迫られます。
しかし、バービーが人間世界を選ぶのは、
「自身が理想像から解放され、本当の自分自身を見つけたい」
という願いが投影されているのではないでしょうか。
この選択肢は、多くの人々が自己実現に向けて直面する葛藤とも重なり、私たちに「完璧」とは何か、本当の幸せとは何かを問いかけているのです。
社会が求める理想像に縛られることなく、自分らしさを見つけ受け入れることの大切さがメッセージとして込められていますね。
ケンもまた、自己発見の過程で成長していく様子が描かれており、この物語全体がアイデンティティ探求への旅となっているのです。
考察3:メディアと社会の関係性への批評
「バービー」は、おもちゃ会社マテル社の商品を題材にしながら、メディアと社会との関係性に鋭いの目を向けていました。
バービー人形は長年女性の理想像として批判されてきたのです。
この映画は、その批判を正面から受け止め逆手に取って物語に組み込んでいます。
特に学校シーンでは、「あなたのおかげでフェミニズムは50年遅れた」といったセリフが登場し、この映画が持つ自己批評的な側面が強調されていますね。
また、「完璧」な世界観であるバービーランドは、一見すると理想的ですが、その裏には多くの問題が潜んでいるのです。
この設定によって、本作はメディアが作り出す理想像や幻想について考えさせられる要素も盛り込まれておりますね。
そのため、観客はこの映画を見ることで、自身が消費するメディアや商品について考えさせられます。
このような批評的視点は、多くの場合見過ごされてしまうため、本作によって新たな視点をもつ自由や意味を問いかけているのではないでしょうか。
「バービー」はただのおもちゃではなく、その背後には多くの文化的・社会的文脈が存在することを教えてくれる作品です。
まとめ
映画「バービー」は、一見するとポップでカラフルなコメディですが、その奥深さは計り知れません。
フェミニズムと男女平等、アイデンティティ探求やメディア批評など、多くの重要なテーマが巧みに織り込まれています。
この映画が多くの人々から支持された理由も、このような深いテーマ性によるものと言えるでしょう。
観客は笑いながらも、自身や社会について考えさせられることになるかもしれません。
「バービー」はエンターテインメントとしてだけではなく、一つ一つのおもちゃやキャラクターが持つ意味についても掘り下げている作品でした。
この映画を見ることで、新たな視点や気づきを得ることができるのではないでしょうか。
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