『ホワットイフ』シリーズは、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の「もしも」という仮定を描くことで、多くのファンに愛されてきました。
シーズン3の第1話では、ハルクが「メックアベンジャーズ」と戦うという大胆な展開が描かれています。
本作は日本の怪獣映画や特撮、さらにはロボットアニメへのオマージュが随所に見られ、独特な世界観を作り上げています。
しかし、その一方で人間ドラマの不足やストーリーテリングの粗さが指摘されるなど、賛否両論が渦巻くエピソードとなりました。
本記事では、このエピソードを深掘りし、見逃せない3つのポイントを考察していきます。
「ホワットイフシーズン3 エピソード1」のあらすじ
第1話では、「もしもハルクがメックアベンジャーズと戦ったら?」というテーマが描かれます。
物語はキャプテン・アメリカ『ウィンター・ソルジャー』をオマージュしたシーンから始まり、ブルース・バナーが新たなガンマ線を浴びることで、さらなる怪物が生まれるという展開に発展します。
その後、アベンジャーズは巨大なハルクバスターを用いて怪獣と戦おうとしますが、あえなく敗北。
その後、サム・ウィルソン率いる新たなアベンジャーズが登場し、巨大ロボットを操縦して怪獣との戦いに挑むことになります。
この展開はまさに日本の特撮映画やアニメ『ガンダム』、さらには『パシフィック・リム』を彷彿とさせるシーンが盛り込まれています。
しかし、このエピソードは単なるロボットと怪獣のバトルに終始し、人間ドラマの要素が薄く感じられる部分が批判の対象となりました。
「ホワットイフシーズン3 エピソード1」における3つの考察
考察1:日本特撮やロボットアニメへのオマージュ
第1話を語る上で外せないポイントは、日本の特撮映画やアニメ作品へのリスペクトです。
巨大ロボットと怪獣が激突する構図は、日本の『ウルトラマン』や『ゴジラ』、さらには『ガンダム』シリーズを彷彿とさせます。
特にロボットが合体するシーンは、日本の戦隊ヒーロー作品に見られる「合体ロボット」の要素を強く感じさせるものでした。
一方で、MCUという大きな枠組みの中で、こうした特撮風の表現が適しているかどうかは議論の余地があります。
マーベル作品は、これまで人間の葛藤や成長を深く描くことで多くのファンを引きつけてきました。
そのため、このような派手なバトルシーンが中心となる展開に対して、物足りなさを感じた視聴者も多かったことでしょう。
考察2:ストーリー展開の急ぎ足感
30分という限られた尺の中で、壮大なバトルや設定を詰め込むことは至難の業です。
今回のエピソードでも、その影響が色濃く現れています。
ブルース・バナーが新たな怪物を生み出す過程や、サム・ウィルソン率いる新たなアベンジャーズの結成は、十分に掘り下げられることなく進行してしまいました。
視聴者に感情移入させるためには、キャラクターたちの動機や葛藤がしっかりと描かれる必要があります。
しかし、本作ではそうした要素が薄く、結果として「ロボットと怪獣のバトルアニメ」としての印象が強く残りました。
考察3:MCUらしさの欠如
『ホワットイフ』シリーズはMCUの「もしも」の世界を描くことで、ファンに新しい視点を提供してきました。
しかし、今回のエピソードはMCUならではの「人間ドラマ」が薄く、従来のファンが期待する要素が欠けているように感じられます。
本来、MCU作品では超人たちが人間社会でどう生き、どう苦悩し、どう成長していくかが描かれます。
しかし、本エピソードではその要素が二の次になり、単なるアクションバトルアニメになってしまいました。
音楽や演出も過剰に感じられ、一部の視聴者からは「うるさい」といった批判も見られました。
まとめ
『ホワットイフ シーズン3 エピソード1』は、ビジュアルやアクション面では見応えのある作品でしたが、MCU作品としてはやや物足りなさを感じさせる内容でした。
日本の特撮やロボットアニメへのオマージュは見事でしたが、それだけではMCU作品としての本質を表現するには不十分です。
ストーリー展開の急ぎ足感や人間ドラマの欠如が目立った今回のエピソード。
今後のエピソードでは、MCUらしい「人間ドラマ」と「もしも」の面白さを再び取り戻してくれることを期待したいところです。
次回エピソード「もしもハワード・スタークが映画監督だったら」では、新しい切り口が見られるかもしれません。
今後の展開に注目しながら、引き続き『ホワットイフ』シリーズを楽しんでいきましょう。
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